結婚や転居などを理由に、分譲住宅の購入を検討している方も多いのではないでしょうか。新しい家は、生活だけでなく、住人の心も豊かにするでしょう。しかし、新しい生活は、さまざまな不安もよぎります。たとえば、近所にどのような人が住んでいるかと不安に感じる方もいるはずです。そこで今回は、分譲住宅のトラブルについてご紹介します。
そもそも「分譲住宅」とは?
住宅には、分譲住宅だけでなく、注文住宅や中古住宅といった種類が存在します。注文住宅は、自由度の高い新築であり、土地選びはもちろんですが、建築設計にも自分の希望が盛り込めます。
一方、中古住宅は名前のとおり、もともと存在する住宅を表した言葉です。所有者の売却などの理由で、発生するケースが多いでしょう。では、分譲住宅はどのような住宅なのでしょうか。
分譲住宅とは?
分譲住宅とは、不動産会社や建築会社が何棟、もしくは何十棟も住宅が建てられる土地を購入し、建築が終了してから販売する新築住宅のことです。造成地などをきれいに区画整備して、次々と住宅を建てていく風景を見たことがないでしょうか。
このように広い敷地にいくつかの住宅が建てられ、分けて譲る販売方法が分譲住宅です。
すべてとはいいませんが、すでに建っている新築住宅や販売中といった、のぼりのある新築住宅は分譲住宅の可能性が高いでしょう。
建売住宅との違い
建売住宅という言葉を聞いたこともあるでしょう。建売住宅は、不動産会社や建築会社が土地を購入して建築します。このような点では、分譲住宅と同じです。しかし、建築する土地は、いくつもの住宅を建てられるような分譲地ではないので要注意です。
分譲住宅を購入するメリット・デメリット
一般的な分譲住宅は、注文住宅より安価で購入できます。新居を購入したいけど、なるべく安く購入したいという方にはメリットを感じる住宅です。また、分譲住宅は、分譲地の一画にあるため、小さな街のような感じになっています。
周辺住宅とのバランスも考えられているため、統一された街に住んでいる気分になるでしょう。一方、デメリットの存在も忘れてはいけません。分譲住宅は、すでに完成しています。
したがって、注文住宅のように、建築中に様子を見る、自分たちの希望を反映するということは難しいでしょう。
新居購入後に発生しがちな近所トラブル
近所トラブルは避けたいと、考えている方が多いのではないでしょうか。しかし、残念ながら新居購入後に近所トラブルに遭う方もいます。そこで、どのようなトラブルがあるのかを確認しておきましょう。
人間関係が悪化する
人間関係は、代表的なトラブルです。お互いに知らないからこそ、人間関係の難しさを感じるでしょう。気さくで人付き合いが上手な方なら、うまく打ち解けます。
一方、人付き合いが苦手な方やちょっとした勘違いが発生した場合は、人間関係が悪化することがあるので気をつけましょう。
ゴミの問題
ゴミ屋敷は、各地で問題になっているトラブルのひとつです。今まで普通の家庭が、ある日突然ゴミ屋敷になることもあります。仮にゴミが溜まっても、敷地内でニオイがなければ、多少は我慢できるかもしれません。
しかし、強烈なニオイとともに、害虫が発生した場合は悩みの種になります。
また、定期的に訪れるゴミ出しも、トラブルになるケースが多いです。時間を守らない、分別ができていないという家庭があるときは、収集車が回収しないため、いつまでもゴミがなくなりません。
道路や敷地関係
迷惑駐車は、さまざまなところで発生するトラブルです。一時的な来客なら我慢できるかもしれませんが、常習的に駐車する場合はトラブルになる可能性があるでしょう。また、隣の敷地から樹木がはみ出している、物が飛び出しているというケースも考えられます。
騒音
近年、騒音に関する苦情やトラブルが増えてきました。車やバイクはもちろんですが、音楽を含めた生活音が気になるケースもあります。また、子どもの泣き声やペットの声もトラブルに発展する可能性があるので要注意です。
ニオイ
前述のゴミとは、異なるニオイです。たとえば、ペットの糞尿やタバコの煙などです。最近は、ペットを室内で飼う方が増えたので、ペットの糞尿で悩みや苦情は減りました。
しかし、まだまだ屋外で飼う方もいます。もし、隣接した家が外で飼っているときは、ニオイに悩まされるかもしれません。また、タバコも同様です。とくにタバコは、健康面での悪影響も考えられるので、子育て中の方は悩むでしょう。
分譲住宅で近所トラブルが起こりにくい理由
分譲住宅は、すべての方が同じような時期に入居します。何十年も前から住み続けているというケースはほぼないでしょう。そのため、人間関係や住民同士の取り決めなどは、最初から参加できます。
とくに遠方より来たという方が多い場合は、逆に人間関係がすぐに作れるかもしれません。一方、昔から存在する住宅地は、コミュニティが完成した状態です。人間関係が苦手という方は、なかなか馴染めないというケースも少なくありません。
もちろん、絶対に近所トラブルがないとはいえませんが、分譲住宅のほうが起こりにくいといえるでしょう。
まとめ
分譲住宅とは、土地と住宅がセットで販売されている新築物件です。また、新居購入時に不安に感じる近所トラブルも起こりにくいという特徴もあります。
もちろん、注文住宅のようなデザインの自由度はありませんが、近所トラブルを避けたいと考えている方には適した住宅といえます。新居は、何度も購入できるものではありません。
分譲住宅を購入するときはメリットとデメリットをしっかり確認しながら検討しましょう。